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日本農書全集34  西村外間農書  1838年

10.豆類・麦類の作り方

尺は約30.3cm 寸は3cm 勺は18ml 才は1.8ml

●大豆は、雨水の日から八、九の間に降雨があれば、灰肥を施して五六粒づつ播く。
かたつむりが多くいる土地では大寒から立春に播く。
二条にして、十坪に二合三勺七才づつ播くこと。

●大豆を立春に播くと草丈があまり伸びないから、菜種の油粕や木杯などでもみ合わせて
播くとよい。水肥をかけて足で踏んでおいてもいい。

●大豆のうねの間に、さつまいもを植え付けておくと、夏至にならないうちに、二度、三度も
雨が降れば、いもが肥大してくる。

●その辺を心得て、大豆の開花期のころ、または実の入った時分に十分な降雨を待って植え付けると
よい。

●大豆の葉は肥料になるから、葉が落ちたらそれを肥料にして、さつまいもを植え付ける方法も
ある。

※大豆に間作したさつまいもは、下葉が枯れ落ちたら、いもが肥大しないから掘り取り、次の
さつまいもの苗づるを植えること。

●小豆は、さつまいも畑や大豆畑の端にそれらと同時に播きつける。
また、虫害にあった畑では二、三か月後に新たに小豆を二条に播種する。

●豆の茎葉は肥料になるものだから、ころあいをみて土の中へ打ちこませ、さつまいもを植えると
いい。

●そら豆は霜降から八十日くらいまでの間に、降雨を待って一穴に四、五粒づつ播き、水肥をかける。
一うねか二うねおきに、そして一株ごとに、さつまいもの間に、そらまめを植え付ける。
これは、さつまいもを北風から守るために北側になるように播きつけるのである。

上畑ではそらまめは寒露の初めのころに播くのがよい。

●そらまめは、五から八月植えのさつまいも畑に、三うねおきに、北風を防ぐように二条に播く。
さつまいものつるがからんで、そらまめが十分に生育できないから、生育をうながすために
水をかけて播く。こうしておいて、絶えずさつまいものつるを、そらまめからはずすようにする。

●大根は、そらまめを播く時分から十、十一月まで、さつまいもの畑に3うねおきに播く。
穴を掘り、土を入れて軽く押し付け、一穴に四、五粒づつ播き、土をかけてもう一度
軽く押さえつける。
芽生えたら、十二日目に水肥をかけ、大根が指くらいの太さになったら虫に食われていない
ものを一穴に一本仕立てにし、他は抜き捨てる。
根元から一寸ほど離して溝を掘り起こしておき、床下肥やかけ肥、村内の排水溝の砂土などを
この施肥溝に入れる。または水肥を穴に入れて播く方法もある。

●虫害にあいやすい、やせ地では、大根を麦や粟の間に間作したり、立春から啓蟄までの間に
その大根畑に大豆を播き入れたりする。
  麦を刈り取ったら鍬で中耕除草をする。大豆に花が咲き、また実が入りしだい、さつまいもを
植え付ける。

●麦は、降雨に関わらず播き、水肥をかけて薄く覆土し、軽く押し付けておく。うね幅二尺、
株間六寸、七寸に播きつける。うね幅=60.61 cm 株間=15センチメートル

●小麦は寒露の頃、はだか麦は立冬のころまで、大麦は小雪から小寒、大寒までに播く。

十一、粟の作り方

●粟は冬至から大寒のころ、三尺おきに浅く穴を掘って播き、水肥をかけて押さえつけておき、
二寸ほど伸びたころに水肥をかける。
五寸くらいになったら間引きをする。

※粟を広幅に播き、ころあいを見てその中に大豆や、さつまいもを作るやり方もある。
白餅粟は冬至に、赤まる餅粟は大寒に播く。

十二、きびの作り方

●きびは十二、一月までに二尺間隔で穴を掘って播き、水肥をかけて薄く覆土して押さえる。
二、三寸になったころ二本だてにし、その他は間引いてしまう。
同時にへらで除草し、土寄せをして水肥をかける。
六、七寸に伸びたら鍬で中耕除草をし、間に小豆を播く。
きびを刈り取ったら、小豆を土へうない込んで、さつまいもを植え付ける。

※きび畑に小豆、緑豆を間作し、きびを収穫後、豆類をうない込む。
虫がでる土地には必ず、きびを播くこと。

●三月になったら、畑にいっせいにやまいもを植え付ける。
その間にはしょうがを植え付け、しょうがができるころに、やまいものつるを一部刈り取って
しょうがを成熟させる。
しょうがは十一月に成熟し、やまいもは十二月以降に成熟する。

※下弦の月の時に移植すれば多収となる
※天福日播種に良い日
一月、五月、九月の寅の日、二月、六月、十月の亥の日、三月、七月、十一月の申の日、
四月、八月、十二月のの日

※地福日播種に良い日

一月、五月、九月の申の日、二月、六月、十月のの日、三月、七月、十一月の寅の日、
四月、八月、十二月の亥の日

※母倉日
春は、子、亥の日、夏は寅の日、秋は辰、の日、冬は申、の日。

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